製品は、その原料採取から製造、廃棄に至るまでのライフサイクル(原料採取→製造→流通→使用→リサイクル・廃棄)の全ての段階において様々な環境への負荷(資源やエネルギーの消費、環境汚染物質や廃棄物の排出など)を発生させています。ライフサイクル評価(Life Cycle Assessment:LCA)とは、これらの環境への負荷をライフサイクル全体に渡って、科学的、定量的、客観的に評価する手法で、その活用により環境負荷の低減を図ることができます。
また、ライフサイクル評価は、モノである「製品」以外に、「サービス」や、「製造プロセス」「廃棄物処理プロセス」等のシステムも対象となります。
製品のライフサイクルと環境負荷の概念図
ライフサイクル評価は、例えば以下のような場面での活用が期待されます。
- より環境負荷の少ない製品やサービスの選択(消費者)
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「A製品とB製品、使うときはA製品の方がエネルギー消費量が少ないけど、
製造する時や廃棄する時も含めたり、エネルギー消費以外のことも考えると、本当に環境に優しいのはどっち?」 - より環境負荷の少ない製品の開発(企業)
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「製品を製造する時だけでなく、消費者が使用する時や、廃棄物になって処分される時まで含めて
環境への影響を小さくするためには、どの原料を使い、どのように設計するのがよいのだろう?」 - ライフサイクル的な考え方の多方面での応用
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エコラベルの認定基準や環境家計簿の評価基準として、ライフサイクル評価の考え方を応用し、
製品や家庭生活における環境負荷をライフサイクル的な視点で評価しようとする検討も進められています。